「サガさんサガさん!!明日お暇ですか??」

バンッと、大きな扉を開けて、私はサガさんの元へ走った。




その時の私は、

ミロさんが言うには、

『尻尾を激しく振る子犬の様だった』

・・・・らしい。









「きょうだいじゃなくて恋人です」















「きょうだいって、言われたくないし、見られたくもないんです…っ」


サガさんと私が一緒に歩いていても

女の人はサガさんに声をかけてくる。



いつも決まって

「きょうだいで買い物ですか?仲が良いですね〜」

なーんて。

たまに、私とサガさんの関係を感づいていながらも

わざとらしく、言ってくる人もいる。

今日だって・・・。





「サガさんも、本当は私みたいなガキじゃなくて、もっと大人っぽい人のほうが良いんですかね…。」



深刻に、

自分の中で、一番の悩みを打ち明けたのに、

相談相手に選んだデスマスクさんは、

「そんな事思っていたら、最初からお前みたいなのと付き合わないだろーが。」


と、いう言葉と共に

ズビシッと

頭に、重いチョップをくれた。





「痛いです・・・・。」

「お前がくだらねーこと言うからだ。」

「でもですよ・・・!?デスマスクさんに素敵な彼女がいるとしますよ!?」


私の例え話の始まりに、

デスマスクさんは軽く俯いて

ハァ…とめんどくさそうにため息をついた。



「・・・・・・・・・・・・・・で?」

「その彼女と一緒にいる時とかに、自分より良い男が登場します!!
そして、デスマスクさんの存在を無視して
『貴方のような素敵な人に初めて巡り会えました。
弟さんの事は放っといて、僕とお茶でも?』

なーーーーーっんて言われたら
どうしますっっっ!!!??

それ以前に、不愉快になりませんか!?」



ハアッ、ハアッ、と

肩で呼吸しつつ

デスマスクさんににじり寄り、返答を待つ。








「・・・・・・・・まず、言う事が一つある。」

時間を空けて、

やっと言葉を放ったデスマスクさんの言葉。

深刻そうに口を開いた。







「俺よりも良い男なんていねぇな。」




「・・・・・・・・・は、い?」




私の想像していた言葉とは大きくかけ離れたその言葉に

思わず聞き返してしまった。




「二度も言わせんな。 俺様より良い男なんざこの世の中にいねぇ。
だから、その例え話も、想像できねぇんだなー、これが。」







この方は、

自分に自信を持っていて(持ちすぎて)

とてもうらやましい。




私も、

こんな風に自信を持てれば

些細な事でここまで悩んだりしないんだろうな。






でも、

これだけは譲れません。




「デスマスクさんよりも、サガさんの方がとっっっても良い男ですよ!!」


これだけは、何があっても譲れない。





「はぁ?あいつのどこが良い男なんだよ?」

「全部ですよ!!ぜ・ん・ぶ!!」

「自分の女をこんなに悩ませる奴がこの俺より良い男なわけねぇだろ。」

「ぐっ・・・」



自分が勝手に落ち込んで、悩んでいるだけなのに

結果的にサガさんに迷惑をかけてしまう。

(今は、サガさんの評価を落としそうになってしまっている・・・)



「やっぱり俺様に勝る男なんざ、いねぇな。」

「ッサガさんが一番です!!」

「だーから、自分の女を不安にさせる男のどこが良い男なんだっての。」





「不安になんてなってません!!」






「はぁ?」






「ただ、サガさんがそのうち、私に愛想尽かして、言い寄ってくる綺麗な人と付き合っちゃうんじゃないかって、思っただけです!!!!」



ただ必死に言った。

意地になっていたのかも知れない。

デスマスクさんはからかっているだけなのかも知れない。

だけど、なんだかサガさんの事で負けたくなかった。



もう、何がなんだか分からなくて

なんでこんなに剥きになっているのか、

なんでこんなに泣きそうになっているのか、

なんでこんなに、

哀しいのか分からなかった。



ただ、泣きそうな顔を見られたくなくて

私は俯いた。





「世間一般で、それが『不安』っつーんだよ。」


ハァ、と頭の上から

また、デスマスクさんのため息が聞こえた。











「ったく・・・おいサガ、てめぇ不安にさせ過ぎだぞ。」



えっ・・・?








「ああ、私の配慮が足りなかった。すまない。」








・・・・・・・・・・・・。








「俺はカウンセラーでも子守でもねぇんだぞ。明日仕事変われ。」





何が、起こっているの・・・?







「・・・今回だけだぞ。」






サガさんが、いきなり現れて・・・?





「よっしゃ。んじゃ邪魔者は消えてやるよ。ゆっくりしてけよ。」


デスマスクさんは、

カッ、カッ、と足を出口に向けて進め始めた。




「ちょ、ちょっと待って下さっ・・・!!!?」


状況が未だ飲み込めず

説明を求めて、デスマスクさんに手を伸ばす。


しかし、デスマスクさんは振り返ることなく、

片手を挙げて、ヒラヒラと軽く振った。



「ま、ゆっくり話せよ。、不安なんてもん、話し合えばすぐ消えちまうんだよ。」







コツコツと足音を立てて消えていく後姿を
少し憎いと思ってしまった。























「・・・・・


「は、はいっ・・!すみません・・・っ!!」


サガさんの落ち着いた声が聞こえると
私は、焦って謝った。




ごめんなさい
子供みたいにいじけてて

ごめんなさい
私が子供みたいだから、いろいろと迷惑をかけてしまって


ごめんなさい

それでも貴方に嫌われたくないんです・・・っ




「ごめんなさい・・・っ、ごめんなさいっ・・・!!」


言葉を声に出したら
自然と顔に熱が集まってきてしまう。


駄目だ・・・
ここで涙まで流してしまったら
またサガさんに迷惑をかけてしまう・・・


サガさんに嫌われてしまう




「ごめっ・・・なさ・・・っ・・・嫌わない・・・で下さ・・・っ」



もうサガさんの顔を見るのも怖くて
私には俯くという選択肢しか残されていなかった。







?顔を上げなくても良いから
よく聞きなさい。」



頭上から
サガさんの声がふってきた。






イヤダ・・・

ワカレタクナイ・・・


サガサン ト、モット一緒ニイタイ・・・




「き、聞きたくない・・・です・・・っ・・・」



サガさんの口から別れの言葉なんて聞きたくない


そんな言葉を聞いてしまったら

私は、生きていけないかもしれない・・・






・・・?」







ふわっ と

サガさんの大きな手のひらが私の頭の上に乗っかった。







「大丈夫だから・・・
ちゃんと聞きなさい。」







大丈夫・・・?

何が・・・?



本当に、大丈夫・・・?






「・・・・・・・っ・・わかり、ました・・っ」





「よし。良い子だ。

・・・?私は、お前と付き合っている事を恥じた事など一度もない。

それどころか
お前のような、可憐で明るくて、他者に元気を与えてくれる女性と付き合えた事を
私は誇りに思っている。


誰がなんと言おうと、・・・兄弟だなどと言われようと
私がお前を愛しいと感じる事が変わる事はない。」










すぅー・・・っと

心の中のもやもやが、

サガさんの言葉で消えていくのを感じた。




私は、やっぱり不安だったんだ。

サガさんは、無理をして私と付き合ってくれている様な気がして・・・


サガさんは私を好きじゃないんだって思ってて


ずっと、ずっと、

サガさんに

『私なんかと無理につき合わせてる』

って罪悪感ばかり感じていたんだ。


年の差ばかり気にして

サガさんと向き合おうとしなかったのは

自分自身だったんだ・・・。






今度こそ

頬を暖かい何かが流れた。




悲しさじゃなく

嬉しさで・・・














サガさんはちゃんと私を想っていてくれたんだ・・・










「・・・・・泣くな」

「だ、だって・・・嬉しくて・・・」







それから
しばらくしても泣き止まない私を前に
サガさんは困ったように笑って

それでも
ずっと傍にいてくれた。












今こんなに幸せな気持ちになれたのも
デスマスクさんのお陰なのかも知れないな・・・






そう呟いたら


サガさんは


あいつもたまには役に立つものだな、


と言って

二人で笑いあった。












END


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きたー。
微妙END☆

サガとか大好きだけど、、、

かけなーーーいっ!!


お題をやり始めました。

お題ページを作っているけど
アップするのに時間がかかるから一先ずここにおくとします。





あーーーーーーーーーーー。
受験したくねー。
夢決まってないのに
受ける学校なんかあるかー。




聖闘士にでもなりたいな。