心の中に、いつも




















誰にだって、宝物はある。


アテナにだって、青銅のみんなにだって、黄金の人たちにだって



もちろん、私にも・・・。










「シオン様〜!!」


息を切らせながらも、

私の前を歩いているシオン様に追いつくために、

全速力で走る。






「・・・。」


シオンは、の姿を確認すると、

微笑み、立ち止まった。



「そんなに走ると転んでしまうぞ?」


もう目前まで来ている

かけた声にはどこか笑みを含んでいるようだ。






「大丈夫ですよ〜・・・・・・っきゃ!!」




どさっ




注意されたにも関わらず

思いっきり転んでしまった・・・。



当然、地面とくっついてしまってると思ったけど

私がくっついてしまっていたのは

シオン様だった。






「・・・・・だから言っただろう?」



少し困ったようなシオン様。

それでも

私を抱きしめて、助けてくれたことが

嬉しくて、ついつい笑顔が零れてしまう。




「えへへ〜・・・」


私はそのままシオン様にギュッと抱きついた。



「ふっ・・・何をそんなに甘えておるのだ?」



シオン様は笑いながらそう言って

私の頭を撫でてくれた。




やさしく、大切なものを扱うように・・・










みんな、それぞれ宝物の形は違う。


みんなの宝物がなんなのかは知らないけど



私の宝物は、


こういう時間。




シオン様との、生きた時間。

シオン様との、穏やかな時間。



それと、私だけに向けてくれるシオン様のとっておきの笑顔・・・。




それが、私の宝物。






END

music 遠来未来 『小さな宝物』
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好きな人との時間は何物とも変えられないですよね。

そんな事と、音楽をテーマにして、書いてみました。


なんだか、いつもより早く書けた感じなので、ちょっと、出来が不安です。

では、お読み下さいまして、ありがとうございました。